世界に張り巡らされた蜘蛛の巣、WEBを改めて考える
インターネット文化の一般化に伴い子どもから高齢者においても広く使われるようになったWEBという言葉ですが、そう一言にいってもその言葉に込められた意味は多岐にわたります。インターネット・サーフィンの語にちなんで海にたとえれば、膨大で、深く、とりとめがなく、言葉の意味を追えば追うほど、底なしに沈んでいきます。あるいは、英語の語源に依って『蜘蛛の巣』を想起することもできるでしょう。蜘蛛の巣が木から木、枝から枝、ほんの些細な釘のでっぱり、つるりとした壁と壁の間などにいつのまにか張り巡らされ、数日もほうっておけば、複雑かつ美しいまでの彼らの根城が出来上がります。今日のWEB――ワールド・ワイド・ウェッブが文字通り蜘蛛の巣のように、たったひとことのテキストに端を発して、ハイパーリンクからハイパーリンクへと張り巡らされ、繋がり、その細い糸を延々と辿って世界中の出来事を知ることができるようになった現在、WEBが大海にも匹敵する拡がりを見せていることは、インターネット・サーフィンなる言葉がハッカー等の間で少しずつ使われはじめた1992年の人々にはまるで想像もつかないことだったでしょう。今ではスマートフォンやタブレット端末の普及と進化によって、誰にでも、簡単に、その海で泳ぐことができるようになりました。それに関して、より急がれるのはメディア・シテラシーと言うことができます。